テーマ型株式ファンドの問題点
過去、様々な流行りのテーマを取り上げたファンドが組成されてきました。「A.I.」といったキーワードは、投資家にとっては分かりやすく、販売側にとっては説明が容易で売りやすい商品と言えそうです。
一方で、テーマを特定することで、組み入れ対象の銘柄は一気に限られてしまいます。ファンドマネージャーは限られた投資対象の中から優れた銘柄を探さなければならず、収益チャンスは限定されます。リレーの選手を選ぶのに、クラス内よりも学年全体からで選んだ方が早いチームが出来そうですし、より広い市や県、全国から選べばもっと早いチームが出来そうです。
それではそのテーマの関連銘柄に、本当に高い成長性があったとしたらどうでしょうか。残念ながら一般に認識されている情報はすでに株価に織り込まれていますので、それだけでは超過収益源にはなりません。特定のセクターが長期に市場を上回る成績を上げることは、過去の実績からも難しいことが確認されています。
また、テーマ型のファンドでは、市場型のファンドに比べて一般的に銘柄数が絞りこまれているため、リスクは相対的に高く、手数料が高めになる傾向があります。合理的な選択肢と言えるのかどうかは疑問が残ります。
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