アップル・トゥ・アップルで比較していますか?
「アップル・トゥ・アップル」は、リンゴはリンゴと比較すべきで、別の果実とは比較できないという意味で使われます。金融用語ではありませんが、運用成績を確認する際には大事な考え方のひとつです。
同じ種類の金融商品と比較していますか?
あなたがお持ちのAファンドが15%値上がりしたとします。一方で、Bファンドは10%しか値上がりしていません。「やった!Aは良いファンドだ。Bはそれに比べて良くないな」と思うかもしれませんが、Aファンドの投資対象である米国株式市場が円ベースで20%上昇していたとしたらどうでしょうか。このファンドの超過リターンはマイナス5%で、悪い成績と言えそうです。
反対にBファンドは為替リスクヘッジありの商品だったとすると、為替にかかわらず株式の上昇が得られた良いファンドといえるかも知れません。
他にこんな場合はどうでしょう。「先進国の債券A債とB債に投資を検討しているが、A債の利回りの方が高くて、魅力的な債券だな」と考えるかもしれません。しかし、外国債券の特徴を調べてみると、Aはシニア債、Bはハイブリッド証券の一種である劣後債で、通常の債券(シニア債)よりも、元本や利払い優先順位が低く、信用リスク(債務不履行の可能性)が大きい分、利回りが高いものでした。
この場合、「アップル・トゥ・アップル」の比較になっていないのが分かりますよね。
ベンチマークを確認しましょう
運用成績の評価は、一般的に投資対象となる資産の成績との比較で行います。その際に重要な役割を果たすのが「ベンチマーク」です。ベンチマーク(benchmark)とは、「基準」を意味する単語で、「目標とする指標」「比較対象とする指標」という意味で使われます。国内株式においてはTOPIXや日経平均株価、米国株式においてはS&P500などが使用されています。
パッシブ運用(インデックス運用)は、この指数と連動する成果を目指し、アクティブ運用ではこれを上回る成果を目指します。最近、話題の「オール・カントリー(通称オルカン)」もパッシブ運用の商品で、ベンチマークは、MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)です。
残念ながら国内公募投信のうち、ベンチマークを設定しているものは一部に限られます。投資対象や手法が類似のファンドの成績と比較することも有効な方法です。ぜひご自身でご確認いただくか、難しい場合は青山フィナンシャルサービスにご相談ください。
【ご留意事項】
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